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ギャグ小説とキャラ壊し

JUN [6850] 08/04/21(月) 14:40
 タイトル通りです。キャラが壊れるとは何なんでしょうか。

 キャラって、多分『この人はこういう人』っていうことだと思うんです。
 ギャグ小説では、それを完膚なきまでに叩き壊してしまう所に面白さが出てきます。過激になればなるほど、ギャップが広がって面白くなるような気はします。

 だけど、僕は壊していいやり方とか、やっちゃいけないやりかたっていうのがあるんじゃないかと思うんです。

 例えばTOD2より、ロニ。彼は成功しないナンパを何度もやって、失敗して相手にもナナリーにも酷い目に遭わされるというやり方が主です。ギャグでは、ナンパの方法が、作中よりもより過激だったり嫌らしかったりして、関節技なんか比較にならない方法で殺されたりするのが一般的ですね。

 ナンパして失敗するってことを、極限まで深めることで、キャラを壊したからこそ、こうなるんだと思います。

 でも、ただ壊すってことだけなら、例えばこんな壊し方もありでしょう。

 ロニはナンパに成功することもあり、その結果として女性というのをある程度あしらったり、性的に弄ぶようなことも心得ている、とか。これだってロニの壊し方の一つのはずです。

 でも、こんなロニを書かれて誰が喜ぶでしょうか。ギャグとはいえ、こんなロニが面白いと言われるでしょうか。言われないだろうし、見たくもない人が多いだろう。だから書かれないし、書かれていても見向きもされないんだろうと思います。

 そういう風に、壊し方にも受け入れられるやりかたがあるんだと思います。
 そして、そういうやり方の一部は、多くの人がやってるから、ある程度これを書いておけばギャグということになってそこそこの評価はされる、的なものになって成立している気がします。お笑い用語で言えば、「鉄板」というやつでしょうか。

 だからキャラ壊しと一言で言っても、鉄板があるし、タブーもあるんだと思います。そして、キャラを壊す以上は、元のキャラが分かってないと壊れてることすら分からないから面白くないということも、ある気がします。

 そんなことを、最近考えてみました。

 ギャグは、一度書いたみたものを後輩からボロクソに言われて、泣きながら眠ったことがあるので、それ以来手は出せなくなっていますが。見てみたいっていうのとは、別です。この提言が、誰かに生きることを願います。

 ギャグやキャラ壊しに関して、何かあれば、レスをお待ちしています。

Re: ギャグ小説とキャラ壊し

◆ 飛鳥 [6854] 08/04/24(木) 02:38
初めまして。飛鳥という者です。キャラを壊している人間として惹かれるというか、考えなきゃいけないことだなぁと思いレスさせて頂きました。よろしくお願い致します。

私の場合、誰が見ても「あ、こりゃ壊れてるな」と感じるだろうくらいキャラをぶっ壊していたので、ラインや定義を深く考えることなく 「壊れてます」 等の注意書きを入れていました。なのでJUNさんのこのレスを見て改めて 「キャラ壊し」 について考えてみたのですが……。

「キャラを壊す」 ということは、そのキャラに自分の意見や考えを与えること、極端なことを言えば、キャラのオリジナル化ではないか、と考えました。

二次創作は既に誰かが創ったキャラを題材にして書かせて頂くわけなので、自分の思考回路と既存のキャラの思考回路との間にギャップが生じると思われます。なので例えばロニを描いたとしても、ゲーム中のロニを100%描けるわけではない……もちろんゲームや攻略本などを見てキャラの気持ちを想像したり、言動を考えたりすることで100%に近づけるのでしょうが、99.999……が限界で100にはならない。100%原作のロニを描ける人物はロニを創った方、もしくはその方が認めた人だけなので、他の人が書けば0.001%でも原作と違う部分が現れる(自分の主観が混じる)。つまりギャグでなくとも、二次創作を創る上での必然性として、多かれ少なかれキャラは壊れている……と考えています。

その中で 「壊したキャラ」 が受け入れられるか受け入れられないかは、「壊したキャラに原作キャラの “本質的な” 特徴がどれだけ残っているか」 によるのではないかと思いました(本質的な特徴とは、肩書きや職業のようなものではなく、性格や行動原理などのことを指しています。本質的って言葉が適切かはちょっと分かんないのですが……まぁそんな感じで(汗))。キャラを壊した際、本質的な特徴が残っていればいるほど受け入れられやすいんじゃないかな、ということです。

例えばTOEのフォッグは豪快さんでよく指示語を使いますが、豪快というファクターを抑えておけば、指示語を全く使わないように壊しても何となくフォッグだなぁと感じることが出来るでしょうし、逆に軟弱でも指示語を多用すればまだフォッグだと認めて頂けると思います。少なくとも、軟弱で指示語を使わないシルエシカリーダーのフォッグよりかは受け入れて頂けるのではないでしょうか。
また、TOD2ロニで「ナンパして振られる」という特徴だけを特化させ、相対的に他の特徴(カイルの兄的存在、思慮深いなど)を霞ませる(削ぎ落とす?)ような壊し方も、原作の大きな特徴が残るため受け入れられているのだと思います。
ですがもし、強調した「ナンパして振られる」という特徴を、
>>ロニはナンパに成功することもあり、その結果として女性というのをある程度あしらったり、性的に弄ぶようなことも心得ている
に書き換えてしまったら……。書き換えた特徴は原作にないものなので、壊したロニの中にある原作ロニの特徴は外見、喋り方……他の特徴が見えにくくなっているせいで、とにかく書き換える前と比べて原作ロニが占める割合が圧倒的に少なくなったはずです。これでは壊したロニと原作ロニとの接点が薄く、読み手の期待しているロニと壊したロニに差がありすぎ、読み手の失望に繋がってしまうのではないかな、と。もちろん壊し方の好き嫌いも反映されると思いますが、そこらへんはひとまず置いといて頂いて……(汗)。

ただ、ハロルドの作った薬を飲んだせいでそうなってしまい治す過程でナナリーとロニの絆がより深まった、みたいな展開……ストーリーや設定で相応の理由があれば、とりあえず評価を下して下さるレベルには留まって頂けるんじゃないかな、と思っています。

作品はおおよそ「キャラ、ストーリー、設定等、要素の個々の評価」と「それらが組み合わさった時の相乗効果」で全体の評価が決まるんじゃないかなぁ〜と何となく考えてみました。ロニが女性をあしらうような、マイナスに働くキャラの崩壊があっても、それをプラスに変換してくれるだけの相乗効果を見込めるストーリーや設定を組み合わせてやれば、作品全体として受け入れて頂ける、受け入れやすいということもあるのではないかな、と……。

つまりこっぴどく壊したキャラでも、設定やストーリーの組み合わせによって受け入れられるか受け入れられないかが変化してくるんじゃないかなぁ、と。キャラ壊しのタブーについては「キャラの壊し方」よりも、むしろこの「作品の他の要素との組み合わせ」の方が大きく関わっているんじゃないかと思ってます。

初めてこういった感じのレスを書かせて頂いたのですが、まとまらなくて難しいですね……この文章で分かって頂けるのか? これが理想と現実の差というやつなのか!? とか思ったり(泣)。書いたことが自分でできてるか怪しいですし……。とりあえず、書いたことが少しでも伝わったのなら幸いです。
最後に……考える場を与えて下さったJUNさんに感謝です! ありがとうございます!
ホント長々と申し訳ありません……それでは、失礼致しました。

Re: ギャグ小説とキャラ壊し

◆ kye [6851] 08/04/22(火) 23:47
こんばんは。ギャグしか書かないと自負しているkyeです。

前提として、キャラというものは壊れるもんだと自分は思ってます。
内面に何らかの意思を秘めていて、それに従って突き進んでいけば、だんだんその意思が増大してキャラの皮をぶち破っていくんじゃないかな、と。
それはまあ、主人公の典型ですが、少しずつ現状を壊していく人もいれば、何かを契機に今まで裏に潜んでいたものが急に表へ顔を出すような人もいるでしょうし、キャラクター像という殻はいずれにしろ破れ、壊れるもんですよ。

つまり壊れ方に不自然さがなければギャグやシリアスを問わず、受け入れられやすいのではないかと思います。
キャラというものはひとつの像ではなく、骨組みにすぎないのではないでしょうか。
その骨組みの延長に表現を誇張するのはアリだけれど、無理に誇張すれば土台から倒壊する、そういう感じかなぁ、と。

ギャグを書いて「キャラが壊れてるのに不自然さがない!」って感想をもらえると嬉しいですね。
自分が持っているキャラクター像を読者と共有できるということもあるでしょうが、自分の創作部分を受け入れられている嬉しさもあります。
二次創作らしい奇妙な感覚ですね。

以上、どんなにシリアス路線で書いても「ギャグ」と言い張るkyeの卑見でした。
ではでは〜。
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