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リアリティの形

JUN [6861] 08/06/07(土) 21:11
 どうも、お久しぶりです。長編の方はサッパリ進んでいませんが、最近掲示板の方が寂しいみたいなので、少し騒がせてみようかと思い立ちました。初めての方は初めまして。JUNと申します。

 今回は、僕も考えあぐねている、ちょっと難しいことについて話題にしたいと思います。

 僕が皆さんに尋ねたいのは、小説のリアリティの形をどんな風にするかということです。リアリティは世界観と言い換えても良いのですが、個人的にはリアリティと言った方がしっくりくるので、そう言わせて頂きます。
 リアリティの形とは何か、一言では説明しにくいのですが、敢えて言うなら小説全体から受ける印象の形とも言えると思います。登場人物が誰か、またそこで描かれる出来事が何か、地の文の言葉は何を選ぶのか等など、色々なものの組み合わせで、それは成り立ちます。人によっては、感じたことがあるのかも知れませんが、読んだ時に思う『あー、こういう話か』というあの感覚です。これを上手いこと読んでもらえる人の直感に引っ掛けられるかどうかが、人気物になれるかどうかの分かれ目だとは思うのですが……。
 ジャンル分けがキライな方っていらっしゃるとは思いますが、ラブコメだとか推理だとかバトルだとかファンタジーとかいうのも、『大体こんな感じの印象を受ける話』というやり方で、ある程度くくれると思うんです。

 僕が問いたいのは、お話を書く時に、皆さんはそういうリアリティの形をどんな風にしようと思っているか、ということです。リアリティの形は、どういう筋にしてどういう登場人物(あるいはキャラクター)を登場させて、その人にどういうことを考えるようにさせるか、それに雑学的な知識をどれくらい使うかなどなど、小説の書き方そのものと言っても良いほど、バラエティには富みますが。
 もし分かる、というか自分はこんな風に考えているのかも知れないなというのがあれば、どうぞ考えて、書いてみていただきたいのです。

注意しておきますが、どれが良いのかということに絶対の基準なんてありません。だから、求める物がどういう形であっても構わないと僕は思います。

 ちなみに僕の作りたいリアリティの形は、二次創作をしているくせに、元の作品そのものとは全然違います。
 例えば僕が今連載している、『落ち着くところに』という作品は、セネルに告白されたノーマの一人称の形で、クロエとの友情やセネルに対する自分の気持ち、学院のことや将来の自分のなりたいものとの間で揺れる彼女の心情を主に描いています。
 まだ完結していないから、最終的にどういうリアリティの形になるのかは僕も分かりません。だけど、どうやら僕はこの作品で、人を好きになったり友人関係や将来のことで悩んだりするノーマくらいの女の子のことが描きたかった様です。それから、恋愛の機微というのも。
 心の動きを大切にしたいから、描写はどうしても長めになりますし、その辺りで読んでもらいにくい所があるのかも知れません。それに、そもそも物語の発端であるセネルがノーマに好意を抱くということ自体が、元のお話をまっすぐに解釈すれば、正直言って『?』という面もあるでしょうし、『告白されたノーマ』とか、『恋愛と友情について悩むノーマ』なんていうのも、原作では全く扱われていません。そこに感動した、という人など皆無でしょう。だって、そんなもの原作のどこにも無かったんですから。
 それでも、僕の作りたい形は、今の所そういうものなんです。発端には、ノーマを描いてみたいという気持ちがあったんですがね。

皆さんは作品をどういう形にしたいと思っていますか。色々な意見を、ぜひお聞かせください。

お礼

◆ JUN [6880] 08/06/22(日) 20:32
 たくさんの返信、どうもありがとうございました。

 僕自身至らない所もあり、一部の方や、見守っておられる方に迷惑をおかけしましたが、このことは心に刻んで、どういう記事の書き方、返信の仕方が適当なのか、もう一度きちんと考えたいと思います。

 ともあれ、時間を割いて意見を考え、返信していただいた方、本当にありがとうございました。またこんな風に記事を立ててみたいと思います。
 それでは、また。JUNでした。

Re: リアリティの形

◆ ブレイズ [6877] 08/06/12(木) 09:55
こんにちは。こちらには初めてお邪魔いたします。
的外れなことを書いているかもしれませんがどうかご容赦ください。

さて、リアリティというのは結局のところ相対的な概念だと私は考えます。
言ってしまえば、書き手と読み手一人一人がそれぞれ別々のリアルを持っているのです。
それはその人がそれまでに身を置いた環境によって形作られた、まさにその人の主体性と言ってしまってもいいかもしれません。(別の言いかたをすれば自己意識でしょうかね)

われわれは言葉によって小説を書いているわけですが、その言葉もそれぞれの読者によって受け取り方が少しずつ違ってきます。
書き手が意図したとおりに受け取られるとは限らないわけです。
読者は書かれている文章を自分の自己意識を介して読み取り、それを自分の経験やその時の心情などと照らし合わせていきます。
そしてここに、それぞれのリアリティが顕在化するわけです。

ですので私は文章にリアリティを持たせるために、物語の場面場面に適切な言葉(また、それらがつくる文)を一つ一つ吟味するように心掛けています。(あくまで心掛けているだけで、それが出来ているわけでは決してないですよ)
たとえば、自分はこの言葉から子供の頃の自分が遠足の前日に抱いていた気持ちを連想できるだとか、たとえばあの言葉から夜更かしした朝に目覚めたときの気だるさを喚起されるだとか、そういうことです。
読者と私はそれぞれ別々の主体性の上に立っているので、これらの試みがその思惑どおりに進むことは少ないのかもしれませんが、それでも文章に感情を喚起する奥行きをつくっておくことは無駄な試みではないと思うわけです。

文章を具体的にしすぎると読者の解釈の幅が狭まり、かえってリアリティが薄れてしまうということが往々にしてあるのだと思います。
文章を具体的にするのではなく、文章を形作る言葉の一つ一つが具体性を喚起するというイメージでしょうか。

さて、ここまで書いて気付いたのですが、私が書いてることってJUNさんの求めている世界観のかたち的な話とは完全に外れてますね;;
的外れすぎる意見を残すのは恥ずかしいですが、せっかく早起きして書いたのでカキコませていただきます。すいません。
お目汚し失礼いたしました。

Re: リアリティの形

◆ 浅月ユウ [6876] 08/06/11(水) 19:13
 はじめまして。こちらでは久方ぶりに書かせていただきます、投稿のほうも最近再開を始めた者です(汗

 えっと、さりげなく私もスレに便乗させてください(滝汗

 私にとってのリアリティは、≒「テーマ」もしくは「キャラの感情の移り変わり」だと思ってます。

 今書いている小説Distorted Lightは、前作TOP新たなる世界の続き物で、戦いが終わった後のオリキャラ主人公「ライル」を通して、人の心の移り変わりというか、人の選ぶ選択肢と現実の結末とか、シビアな路線をシリアス&ギャグ? で突っ走りながら描いています(オリジナル要素が強いため現在ジャンル変更を本気で考えてます……/滝汗

 前作で義理の姉を仮の姿としていた存在を打ち倒したライルは、2年経った今でもその後悔を引きずり。
 共に戦った仲間たちの心配をよそに、全てのことの発端であるらしい組織と対決していくことになり――ライルだけでなく、仲間たちの複雑な心情を描いている話です。

 人は何のためにいるのか。何をすればいいのか。そういった葛藤もこめた作品に仕上げたつもりですが、なにぶんまだ未熟な自分ですので、どうもその辺がべたです(滝汗

 それでも、私と同じような病気を抱えている人や、そうでない人でも自分の未来想像に役立てればいいなと思っています。ずいぶんと勝手な考えですが(汗

 ……えと、こんな感じでよかったのかな……(汗  それでは、お目怪我し失礼しました。退散しますっ

Re: リアリティの形

◆ 青き流星 [6875] 08/06/11(水) 13:10
最近大学が忙しく、小説がかけない青き流星です。

リアリティの形とは何かですよね?
自分はそんなことをあまり意識したことがないんですけど……。
あえていうなら、キャラ=自分に置き換えるのはどうでしょうか?
例えば、あいさつや告白とか実体験みたいなこととか、それを自分が作った作品に少しでもいいから組み込むみたいな感じで……。
それはうまくいかないのなら、友達の話や家族の話からも想像されるといいかもしれません。
もっと簡単な方法は自分の好きな小説や信頼できる友達を、作品の中にキャラとしてあてはめるとかでしょうか?

それでは失礼します

Re: リアリティの形

◆ 飛鳥 [6867] 08/06/09(月) 23:59
こんにちは。お邪魔させて頂きたいと思います。混ぜこぜジャンルの物語を書いている飛鳥です。

私の場合、リアリティ≒世界観で置き換えられる言葉だとするならば、リアリティを考えることは正直二の次になりがちです……。物語を書こうと思った時に、まず登場人物とストーリーから入るせいで、それらの周りの世界設定、テーマ、何人称で地の文を書くかなど、ストーリーや登場人物以外で作品を特徴付ける構成要素は後手にまわってしまうんです。

私の中で、それらはストーリーの中から見つけ出したり、そこから想像を発展させて埋めていくものと化しています。何というか……ストーリー、登場人物の行動、感情などに合わせるように他の全ての要素を考えている感じです。そのせいでよくギクシャクした感じになるのですが……。

その結果かどうかは分かりませんが、私はリアリティというものは数学の証明問題のようなものだと思っています。ストーリー、登場人物だけが話の核かは置いておいて頂いて……問題(小説)の核(ストーリー、登場人物など)がすでに提示されているので、そいつに合致するように間や周りを埋めていく……証明問題の解答例が複数存在するようにストーリーに合致するリアリティも複数存在するかも知れないけれど、その中から最良の回答を「見つけ出す(創り出すとはちょっと違うと思うので……)」

なので私の場合は「先行して創り出したストーリーや動かすキャラを最大限活かせるように、リアリティの形を決める」といった感じでしょうか。

ストーリーやキャラの構成過程までリアリティのお話の中に含めると……どうなんでしょう……二次創作の場合はキャラはすでにいるので、ストーリーに合うキャラをチョイスする感じなのですが、ストーリーは……ちょっとしたことから想像を膨らませて「おっ、これいいんじゃないか?」→採用みたいな流れが結構多いので、「リアリティなんて考えてない」が答えかも知れないです(汗)。

何にせよ、読者の方に楽しんで頂ける作品を作りたいと思って書いています。ストーリーは例え面白くないと言われようが、そこだけは絶対譲れない部分なので頑固に貫き通してしまいますが、それ以外の構成やら表現方法やらは感想で頂いたご意見を取り入れたり、読者の方がどういう雰囲気の作品を読みたがっているのかを想像しながら形を変えています。長編だといきなり雰囲気変えられないですが……。

勘違いして変なこと書いていないことを祈ります。

行き当たりばったりで書いていることが判明してへこんだ飛鳥でした。それでは、失礼します。

Re: リアリティの形

◆ ルーキィ [6865] 08/06/09(月) 00:04
こんばんわ、トピック参加させていただきます。

リアリティ。直訳すれば現実味とか真実性なんて言葉になりますね。
創造された物語がまるで現実で身近に起きた出来事のように感じさせる迫真性。世界観がきっちり整合していて、登場する人物の行動や心情に裏付けがあって、読む人を納得させられる説得力。
そういう力のある物語が、リアリティのある物語と呼べるかもしれません。

私自身は、あまり現実味のあるお話を書く方ではないと思います。
現実では猫が喋ったり、死者に会える列車が走っていたりすることはありませんし、また、私はお話の中でそういう世界観を敢えて言葉で説明しようとも思いません。
それはその話の背景画であって、『当然のモノ』として初めから存在しているからなのですね。
描きたいと思うのは、その背景の中で登場人物が感じる嬉しさとか悲しみとか孤独とかです。(言葉にするとそれこそ絵空事みたいだけど)
そういうものを、なるべく温度を伴って伝わるように描きたい。
温かさや冷たさって、それこそ人間が六感で感じる事の出来るものですよね。
だから、「あったかみのあるお話」と褒めて頂けた時が一番嬉しい。
感覚に訴える『温度感』という迫真性、上手く言えないですが私にとっての『リアリティ』とはそういうものです。

うーん、また見当違いでおかしな事を書いてしまったかも……
(国語の成績は良くありません)
けど、大切なのは『考えてみる』事なのかもしれませんね。
JUNさんのトピックはいつも自分が無意識でいたところを考えさせてくれるので、感謝しています。

それでは、失礼しました。

Re^2: リアリティの形

◆ 何でだ( ゚Д゚)ゴニャ!! [6866] 08/06/09(月) 22:10
今ちょっと暇なんで書かせていただきますね。
>また、私はお話の中でそういう世界観を敢えて言葉で説明しようとも思いません。
>それはその話の背景画であって、『当然のモノ』として初めから存在しているからなのですね。

これは読者がすでにその『前提を知っている』必要がありますよね。
それを知らない読者にはただ突飛な物になってしまうのではないでしょうか。
勿論、説明文だらけで読みにくくなっても論外でしょうが。
読者に前提となるものが伝われば、登場人物の心理、感情にも説得力が増すと思うのですが、どうでしょう?

Re^3: リアリティの形

JUN [6868] 08/06/10(火) 00:33
>何でだ( ゚Д゚)ゴニャ!!さんへ

 本人に聞いたわけじゃないんですが……。僕の考えから、何でだ( ゚Д゚)ゴニャ!!さんがルーキィさんにした意見に対して、反論させて頂きます。

 “何でだ( ゚Д゚)ゴニャ!!”さんの意見は、理論的に筋が通っていると思います。だから、その土俵でこちらも反論させてもらいたいと思います。

 そちらが主張される「前提として読者が作品の世界観を知っていた方が、作品の説得力が増す」という前提の確実性を僕は疑います。

 僕はそういうのじゃない、伝え方、味わいというのが確かにあると思うんですね。現実や歴史的事実、あるいは自然科学上の法則とかに対するキチッとした設定作り、それによる世界観の明確化――これも一つのアプローチではあります。実際、そここそが重要だという方もたくさんいらっしゃいます。
 でも僕が思うに、小説の目的は、結局読んだ人に何かを感じてもらうことだと思うんです。設定、世界観、これらをまず明示することによって、相手にこういう世界観の話なんだというのをわかってもらった上で、説明していく。それが相手に何かを感じさせるのに有効な手段であることは確かです。しかしながら、これしかないかというと、決してそうではありません。
 
 現実、事実に照らして不合理で一見起こりえないようなことが起こっていたとしても、そんな風になっているからこそ、物語が物語として成り立つ。読んだ人により何かを感じさせることが出来る。そういう場合は確かにあるんです。

 僕がこういう反論をしたのは、ルーキィさんの作品は、別に“何でだ( ゚Д゚)ゴニャ!!”さんが示した様なアプローチをしなくても、作品として成り立っているし、そこにこそ作品の味があると思うからです。もし“何でだ( ゚Д゚)ゴニャ!!”さんの意見を過度に気にし過ぎてしまって、世界観や設定を無理にきっちりさせようとしたりすると、それが壊されることになってしまうと思ったからです。
 さらに補足しておくと、ルーキィさんの小説は、ファンタジーや童話に分類されるものだと思います。それらの物語は既に物語の一ジャンルとして認められており、広く知られていますから、読み手は彼女の作品を見たとき、ほぼ例外無くファンタジーや童話の世界観を想像することとなります。猫がしゃべり死者を運ぶ列車が通ることは、大半の読者にとって、何ら不自然では無いと思うんです。ゆえに、ルーキィさんの言う「世界観は既に描かれている」という意見はやはり妥当だと思うんです。

 だから、結論としてはルーキィさんの意見を純理論的に理解した場合に、何でだ( ゚Д゚)ゴニャ!!さんの指摘は的確だと思いますが、小説の方法論、あるいはルーキィさんの心情という点で見ると、的確でないと思います。

 かなり手酷く書いたかも知れませんが、こういった疑問の提起、論争なんていうのは、それ自体が書き手の間の関係を深め、サイトの活性を高めるので、歓迎します。ルーキィさんから何かあれば、また書き込みがあるでしょう。

Re^4: リアリティの形

◆ 何でだ( ゚Д゚)ゴニャ!! [6869] 08/06/10(火) 03:27
 ちょっと誤解されているようなので。
私が書いたのは『読者に前提となるものが伝われば、登場人物の心理、感情にも説得力が増すと思うのですが』なのですよ。(登場人物の行動に対しても説得力が増しますね)
別にがんじがらめに世界観を設定する必要も無ければ、それを一字一句書く必要も無いと思いますよ。
ルーキィさんの作品を全て読んだ訳では無いのでずれてるかもしれませんが、
お題(?)の喋る猫というのであれば、本編でいきなり喋らせるよりも前もって猫が井戸端会議をしているのが聞こえる、誰かが猫と会話している、
そのような(猫が普通に会話している)状況描写が読者に世界観を提示するという事なんですよ。
さらに言えばその猫は4本足の猫なのか、ますむらひろしのアタゴオルの様に人間サイズの2本足で歩く猫なのか、読者に作者のイメージを伝える事も必要だと思われます。
視覚的な物で補えるのであれば必要ないのでしょうけど。

 例に挙げてしまいますがJUNさんの
>僕はそういうのじゃない、伝え方、味わいというのが確かにあると思う
これは抽象的すぎて肯定も否定もできません。『人それぞれに楽しみ方はある』という事でしょうか?
>現実、事実に照らして不合理で一見起こりえないようなことが起こっていたとしても、そんな風になっているからこそ、物語が物語として成り立つ。読んだ人により何かを感じさせることが出来る。そういう場合は確かにあるんです。
この部分も抽象的すぎます。何かとは何でしょう?共感でしょうか?感動でしょうか?
第3者に見せて漠然とではなく、きちんと理解されるでしょうか?
この部分を書かれたJUNさんは私に何か伝えようとしている筈です。
おそらくJUNさんの中では考えとしてまとまっていると思いますが、それも伝わらなければ意味が無いわけです。
逆にRe2の私の文章はどうでしょう?実質4行ですが伝わりますか?
あの短い文章からよくあれだけの長文を引き出せたなぁとちょっと驚きですよ。

Re^5: リアリティの形

JUN [6870] 08/06/10(火) 11:24
 反論、受け取りました。その上で、答えさせて頂きます。

 何でだ( ゚Д゚)ゴニャ!!さんが最初の段落で論駁されているように、僕の言い方では『読者に前提となるものが伝われば、登場人物の心理、感情にも説得力が増す』という、そちらのいわば単なるアドバイスとしての意見を、『ガチガチに世界観を定めるべきだ』という強い意見に勝手に解釈して、それに対して反論をした、と見られても仕方が無いと思います。
 相手の意見を叩きやすく戯画化して、こちらの都合のいい土俵に引きずり込み、批判する。僕が無意識の内にその方法を取ってしまったことを認めます。
もし、何でだ( ゚Д゚)ゴニャ!!さんが、作品の世界観やイメージを、話を壊すことなく、読者に柔らかく滑り込ませる方法について言及している、と考えたならばその方法に賛成する人は非常に多く、また僕もその方法自体の有効性は認めているので、徹底的に反論するには僕にとって都合が悪いものでした。ゆえに、叩きやすく戯画化したんです。それが理論的に不適切な方法だったのは明白です。

 しかしながら、理解していただきたいのは、僕がルーキィさんの作品についてそういう方向性を考慮することそのものを問題としているということです。

 そちらは『ルーキィさんの作品を全て読んだ訳ではないのでずれてるかも知れませんが』とも書かれています。端的に言うならば、僕はそのずれてるかも知れないアドバイスによって、ルーキィさんの作品が壊されることを危惧しているんです。だからこの意見は、初めから何でだ( ゚Д゚)ゴニャ!!さんの方ではなく、ルーキィさんの方に立ったものでした。ただ初めからそう言ってしまうと、感情の対立にしかならないと思ったので理論的な皮をある程度被らせました。

 もう一度言わせて頂くならば、何でだ( ゚Д゚)ゴニャ!!さんの意見には一般論としての妥当性が十分にあります。その点は認めます。しかし、その一般論ですら、無理にあてはめようとするとルーキィさんの作品世界を、僕の好まない方に歪めてしまう恐れがあるんです。何でだ( ゚Д゚)ゴニャ!!さんの仰る様な指摘は、ルーキィさんの作品に対して有効ではあるのでしょうし、僕自身感じたこともありましたが、敢えてそれは言いませんでした。
 僕は今のルーキィさんの作品を好むが故に、それを壊すような言葉をぶつける気にはならなかったのです。そして、そのためにルーキィさんの作品論を守ろうと思ったのです。
 これは、理論的な反駁ではありません。理論の段階では、僕があなたの意見の戯画化を認めた段階で決着が着いています。これは単なる僕の動機の吐露です。だけど、僕の様に考えている人間が一人ではあっても居るということ、それを受け止めて欲しいのです。理論ではなく、感情で理解して欲しい。

 また、後半で例に挙げてある僕の意見についても、答えさせて頂きます。
>『そういうのじゃない、伝え方、味わい方というのが確かにあると思う』という文章について。
 確かにこれは抽象的です。これ自体では肯定も否定も出来ないと思います。言葉を継ぎ足させてもらうとしても、『世界観の解説や設定の補強、そしてそれらの作品への取り込みというもの以外にも、様々な方法で読者へ共感を呼び起こすことは可能であり、またその様な手段についても考えて欲しいと思います。』という程度のもので、これにも、『様々な方法というのが具体的に何なのか明らかではない』という反論が可能です。
 しかしながら、僕は敢えてそこに何か明確な方法や手段を書く必要は無いと考えます。そもそも、このサイトの掲示板とスレッドであれば、返答いただく方や記事を見られる方はある程度小説の方法論に習熟している方であって、世界観・設定の紹介ではない方法によるアプローチの有効性も理解していただけると僕は考えています。だから、世界観や設定以外に読者の感性に訴える方法というのを、この部分を読んだそれぞれの方が考えてそれを当てはめた上で理解していただければそれで構わなかったんです。あえて何か一つの例を上げて、論争をしようという意図もありませんでした。この意見の論理的な意義としては、何でだ( ゚Д゚)ゴニャ!!さんの主張を弱めるために、小説の有効性を増す手段として他の方法を挙げることだったのです。それは十分に果たせると考えました。

>『読んだ人により何かを感じさせる』という文章について。
 『何か』とは何かが明確では無いという意見ですね。この部分も明確にしなくても構わないと僕は考えています。
 何かを感じるというのは、心が動くということそのものを示しています。言うなれば作品を読んだ人が何かを思えば、それは全てこの定義に当てはまることになります。そういう心の動きというのはいくら言葉を尽くしても完全にフォローできるものではありません。例を挙げれば、きっと無限大に広がってしまうことでしょう。
 けれど、心が動くということそのものは、存在として認めないわけにはいかないと思うんです。その動きそのものを、僕は問題にしたかったのです。

 こちらからの反論としては、こんな所です。

それから、『おそらくJUNさんの中では考えとしてまとまっていると思いますが、それも伝わらなければ意味が無いわけです。』という意見なのですが、残念ながら、僕の意見は一言で言い表せるものではありません。簡単にしてしまうと、どうしても本当に僕が伝えたいことにゆがみが生じてしまいます。ゆえに、過度に簡略化することは出来ないのです。
これは、できるだけ正確に言葉で何かを伝えようとする時にどうしても伴う性質だと思います。伝わらなければ意味がありませんが、誤解されるくらいならば、伝わる人が少なくても構わないと僕は考えます。また、この記事において、国語の問題の様に『〜字』で答えなさいという制限があるわけでもないのだから、出来るだけ正確に伝えるために言葉を磨くのは間違った方法では無いと思います。

 それと、こちらも意見なのですが、僕は論争をするために、この記事を書いたわけではありません。ただ皆さんの考えたことを知りたかったのです。ここに頂いた返信はそれぞれその作者さんが大切にしているということだけであって、『へえ、そうなのか』と思っていただくくらいで良かったのです。それぞれの作者さんの考えるリアリティの形を見て、何か疑問や反論があったのであれば、メールアドレスを公開している作者さんならば、直接問うか、していないのならば匿名性ということに鑑みて収めるべきだと思います。
 もしどうしても、これ以上世界観や設定の意義について僕との議論を行いたいのであれば、別のスレッドを立てるか、メールアドレスを公開しているので、そちらでお願いします。
 ここまで話が大きくなってしまったのは、僕が最初にしゃしゃり出てしまったことに原因があるのでしょうが、創作相談掲示板の意義を壊さないためにも、どうぞお願いします。

Re^6: リアリティの形

◆ 何でだ( ゚Д゚)ゴニャ!! [6873] 08/06/10(火) 20:36
 まず、あまりに文章が長くて笑ってしまいましたよ。
無駄な文章と修飾語が多すぎます。
こういう場なんですから学校へ提出するレポートの様に要点だけを書いていただければ良いと思いますが。
で、その要点が『ゴニャが書いたせいでルーキィさんの創作スタイルが変わってしまうかも。それやだ』、と。
「考えるんじゃない、感じるんだ」と言ったのはブルース・リーですが、感情で理解しろと。
創作スタイルが変わってしまうかもという部分ですけど、大丈夫だと思いますよ。
HPの方も拝見させていただきましたが、すでにあのスタイルを確立されている様ですし。
私もRe2でそんなご大層な事は書いてませんから。

 >反論受け取りました
いえ、私は反論してません。
正直な感想として『見えない敵』と戦いすぎでは?

Re^6: お二人とも、ありがとうございました

◆ ルーキィ [6872] 08/06/10(火) 20:00
こんばんわ。
いつのまにか話が大きくなってしまってることにびっくりしました^^;
もっと早く私が返信を書けていればよかったのでしょうが、何分休日にしかまともに時間の取れない労働者なもので……
頑張ってお返事をまとめましたが、議論的なものはちょっと苦手なので、ちゃんとお答えできていなかったらごめんなさいね。(これ書くのに数時間かかりました……)

>>何でだ( ゜Д゜)ゴニャ!!さん
>これは読者がすでにその『前提を知っている』必要がありますよね。
>それを知らない読者にはただ突飛な物になってしまうのではないでしょうか。
>読者に前提となるものが伝われば、登場人物の心理、感情にも説得力が増すと思うのですが、どうでしょう?

仰るとおりだと思います。
例えば何の脈絡もなく、突然キャラが「僕は世界を救う旅に出る」なんて言っても、その世界が何で救われないといけないのか、何でそんな事しないといけないのかの理由も、『僕』が何を考えてるのかも分からないですものね。
物語として成立させる上で必要な、世界観という『前提』。それはもちろん、おろそかにしてはいけない部分ですし、こちらでは『テイルズ』という大前提があります。私がこちらでお話を書くときは、その前提を利用してお話を考えますが、この時点で世界観や背景を描くことになりますものね。
自分の書き方が悪かったなぁと反省しています。

今回はテーマが『リアリティ』でしたよね。私にとってリアリティって何なのか、お話を書く上で気をつけるリアリティってどんな事なのか。それを考えたくてトピックに参加しました。
私にとってのリアリティって、感覚に訴えてくるモノなのですね。
焼きたてパンの匂いのする朝日だとか、まるで硝子の鈴を鳴らす音が聞こえてきそうに瞬く星の海だとか。文章にすると物凄く非現実的ですが、何となく『そういう雰囲気』を感じさせてくれる表現。実際読み手さんがどのくらい感じてくださっているのかは分かりませんが、そんな表現を通じて自分があたかもその場にいるような感覚を味わってもらえる文章を書きたいなぁと思っています。(『臨場感』って言葉にも置き換えられるのかな)
敢えて言葉で説明しないというのは、例で上げていたような猫がしゃべる理由だとか、死者に会える列車が何処で造られてどんな目的で走っているのかとか、そういう非現実な状況を現実的に理論付けて説明していないという事なんです。元々描きたいモノがちょっと不思議な物語だし、不思議さを細かい理論で説明する必要はないかなぁと(私の場合は、ですよ)……もちろん、理論が分かった方がお話が面白くなる場合もありますし、自分の中ではそれなりに理由付けがあるので、必要だなと思ったら描写しますが。
何でだ( ゜Д゜)ゴニャ!!さんが仰るように、薄すぎても濃すぎてもダメなのでしょうね。読み手さんに伝わる説得力のある描写、出来るようになりたいなと思います。

……もしかしたら、物凄く分かりにくい、抽象的な話ばかり(今回のレス含め)書いてきたんじゃないかと不安にもなりましたが。ぼんやりと捉えていたことをきちんと考える機会になりました。
ご指摘・ご意見、ありがとうございました。


>>JUNさん
リアリティを感じさせる構成や物語運び。以前のトピックにもありましたが、経験したことのない状況や感情を、まるで自分の事のように感じる事。それもひとつの『リアリティ』の体感ですよね。
JUNさんの今書いておられる作品ですごいなぁと感心させられるのは、『セネルに告白されるノーマ』を通じて、友情や愛情と板ばさみになったひとりの女の子の悩みや葛藤がとても近くに伝わってくる事です。キャラが読み手の中でしっくりと馴染んでくるのです。本編では描かれない造られた状況ですが、それをきちんと納得させてくれる説得力と描写力。それがきっと、JUNさんの目指しておられるリアリティに通じているのだろうなと思います。

自分のコメントについて、どうにもリアリティ云々というより描写論的な話に偏ってしまった気がして、うーんまた見当違いのコメントを書いてしまったなぁと凹みましたが……お話は非現実的だけど、感覚は現実感を伴って伝えられるように書きたいんだ、と。そんな事が言いたかったのですね。
前提となる世界観や人間関係というのは確かにとても大切ですし、おろそかにしてはいけないものなのだと思います。お話の中へ読み手さんを導入する『掴み』の部分ですね。
私の書いたコメントでは、それを省略してしまう作法を取っているように取られかねないですし、そこに何でだ( ゚Д゚)ゴニャ!! さんが疑問を持たれても当然だったのだと思うのです。ちょっとどきりとしましたし、反省もしました。言い訳は上記に記したとおりです。
文章的にも表現的にも穴だらけの作品を書き続けていることは自覚しています。けれどそこは、皆さんの作品を読んだり好みのお話を見つけたりして、自分なりの作法を見つけようと頑張っています。だから、何でだ( ゚Д゚)ゴニャ!! さんの指摘はためになりましたし、そこで考えたことを受け止めて、でも囚われないように取り入れて行きたいなと思うのです。

JUNさんは私の拙い話を読んでくださって、何を言わんとしていたのかも理解してくださいました。その上で議論してくださった事が本当にありがたく、身に余る光栄でした。(ホントに、泣きそうなくらいです……)
多分、最初に私の作品を、ファンタジーや童話に分類されるもの、猫がしゃべり死者を運ぶ列車が通ることは、大半の読者にとって、何ら不自然では無いと思うんですと言ってくださらなかったら、今もどう返信したらいいのか分からなかったかも知れません。
『こんな風に読み取っているんだよ』と示してくださったお陰で、自分がどんな事を書きたがっているのかを言葉に出来た気がします。(それでも説明不足な部分は多々あるでしょうが……)

前のコメントにも書きましたが、いつも自分が見逃している観点を提示して考えさせてくださいますし、他の方がどんな風に思われているのかも知ることができるので、密かにJUNさんのトピックを楽しみにしています。
議論とご指摘、考える場を与えてくださって本当にありがとうございました。


お二人とも、ありがとうございました。
今回は私の書きかたの悪さで思わぬ方向へ行ってしまって、本当に反省しています……もっとちゃんと自分の考えを書くことができるようになってから、こちらに書き込みするようにしたいと思います。

それでは、失礼しました。

Re^7: 御勤めご苦労様です

◆ 何でだ( ゚Д゚)ゴニャ!! [6874] 08/06/10(火) 20:48
Re2では私の個人的な意見を書かせていただきました。
そんな風に考えてる人間も居る程度に捉えていただければ良いかと。
最低限、読み手の事が考えられているのであれば表現の多様性はあって然るべきですから。

建前と行動の矛盾

◆ 野次馬 [6871] 08/06/10(火) 13:21
> 論争をするために、この記事を書いたわけではありません。

ならば少なくともあなた自身は"反論"はせず黙って見る事に徹するべきでは?
しかもあなたは自分宛てではない記事に対して横槍を入れているだけ。
掲示板での論争は"反論"から始まります。論争を望まぬなら黙して見守りましょう。

Re: リアリティの形

◆ kye [6863] 08/06/08(日) 17:52
どうも、ジャンル分けの苦手なkyeです。

自分にとって「リアリティ」は現実味とか説得力という意味で使っております。
それは時代モノなら時代考証だとか、SFなら科学的考察だとか、ファンタジーならそれこそ創作した世界観や時代背景、宗教風俗等をストーリーの骨子に照らし合わせて整合性を取っていくことなんですね。
つまり読者を物語になるたけ違和感無く導入するためのものということです。
話に上っている「リアリティの形」とはちょっと違いますけど、自分は最初に基礎を築くことをそれなりに重視しております。
率直に言うと「テーマ」ですね。
最初にテーマがあって、それを書き表すのに相応しい――面白いと感じる土俵を次に探すわけです。
自分は、とりあえずテーマ先行で、その後に話の筋を固めていって……という作り方をしているので、「リアリティの形」として上っているジャンル分けを受け取ることがちょっと苦手な作品になってしまうんです。(方向性を定める腕が無いとも言えますが…)
もちろんテーマといったって「果てしない愛の物語を書くぞー!」とか言って漠然と考えるわけじゃありません。
「ED後のロニナナの歳の差カップル書きてぇー!」とかいう直情的なわりに歪曲した妄想から出発しております。
その妄想を物語にするにあたって、必要なテーマを見出すわけです。
結果的に恋愛なんだかホームドラマなんだかラブコメなんだか青春群像劇なんだか訳が分からなくなりますが、テーマを消化して(昇華して)話は完結します。
そんなものでも自分自身はそれなりに納得しております。
つまるところ読み終わってから「で、なに?」って言われて答えに詰まる話になっちゃいけないから「リアリティの形」というのが必要なのだとは思います。

以下、与太話ですが…、
ここの読者さんの感性に引っ掛かってウケる感覚って「心地いい共感」なんだと思います。
共感できるかできないか、というのが最終的な評価決定に意識的にしろ無意識的にしろ出ているような気がします。
自分は「共感できないことを納得させる、理解させることのほうが面白いに決まってる!」と共感に唾吐いて駄文を綴っております。
人気なんて知るもんか……orz

お見苦しいところをお見せしました……。
以上、kyeの卑見でした。
ではでは〜

Re: リアリティの形

◆ 何でだ( ゚Д゚)ゴニャ!! [6862] 08/06/08(日) 00:34
 どのジャンルにしても状況描写(どんな場所、どんな場面で何が起きているのか)と心理描写(登場人物の言動の理由と説明)。
それが読者に伝われば(理解、納得してもらえれば)リアリティに繋がると思いますよ。
描写の細かさは読者に伝わる程度なんですが、濃すぎても薄すぎても駄目なんですよね。
そのさじ加減が難しい。
 私の場合は『T.O.Dを知らなくても読めば理解できる』を目指しました。
固有名詞は最低限に、オノマトペ、説明台詞も極力避ける。
まぁ何分、不徹底な所もありますが。

 状況、心理描写ですがスティーブン・キングの作品は参考になると思われます。
(文芸批評家からは無駄な文章が多すぎると言われている様ですが)
『IT(イット)』、『トミーノッカーズ』、『ニードフルシングス』の3作がお勧めです。
マジェスティックファンタジアン Nebel TreeRes BBS v1.00β Credit:校倉