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- ▼ - 技名の表記 - LUCE [8998] 12/11/05(月) 20:49
- ・Re: 技名の表記 - 姫川 涼 [8999] 12/11/08(木) 09:46
- ・Re^2: 技名の表記 - LUCE [9000] 12/11/09(金) 00:07
- ・Re: 技名の表記 - 姫川 涼 [8999] 12/11/08(木) 09:46
技名の表記
- ◆ LUCE [8998] 12/11/05(月) 20:49
- ここには数度顔を出させていただいております、LUCEという物書きの端くれです。
此度皆様に相談したい事、それは、戦闘シーンにおける術技名の表記についてです。
このサイトの小説における戦闘では、キャラクターに技名を叫ばせる書き方が一般的になっているように感じます。ゲームでもキャラクターは基本技名を叫んでいるので、それの影響を受けているのでしょう。
ですが私は最近、戦闘シーンにおいて、詠唱のある魔術や晶術、法術の類、および決め台詞のある秘奥義を除いた技(例:魔神剣など)では、極力技名を表記させないようにしています。
表記するとしても地の文で、それも出来る限り少なくしようと努めています。
つまり、キャラクターの多彩な技を、全て地の文で描写しているわけです。
しかし、魔神剣のようなシンプルな技ならばそれも容易いとはいえ、複雑な動きをする技や似たようなエフェクトの技だと、表現するのに苦労することもあります。
また、技名を表記しないので、読者にどのような技を使ったのかを余計に想像させてしまいます。
そこで、本題です。
技名を文中で表記せず、地の文のみで描写する時に、何かアドバイスや意見があれば、それをお聞かせ願いたいのです。
そしてもう一つ。
読む側として、このような書き方はどう感じますか?
地の文が多くなって読みにくい。むしろこのような書き方の方が良い。等々、大なり小なり思うところがあれば、それをお教えくだされば幸いです。
どちらにお答えいただいても構いません(無論、両方の解答がいただければこれ以上の喜びはありませんが)。
では、皆様のご意見を、お待ちしております。
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Re: 技名の表記
- ◆ 姫川 涼 [8999] 12/11/08(木) 09:46
- おもしろそうな議題でしたので、ふらりと書き込みさせていただきましす。
こちらこそ初めまして、普段は読み専門に回っています、姫川と申します。
私自身、書き物はなかなか不得手で、現役の方にも優秀な書き手がいらっしゃいますから、描写アドバイスはその方々にお任せ(!)して、読み手なりに考えてることや感じたことを書かせていただきたいと思います。
あくまで、私個人のマイノリティな意見だと、気楽に読み進めていただければこれ幸いです。
端的に言いますと。
技名なんて言っても言わなくても、たいしたことではないと考えます。
それよりもまず、LUCEさんに質問させてください。【作品の世界の中では、どんな理由があって技名を言うのでしょうか?】……ああ、こちらに書き込まないで、心の中でお答えになって大丈夫ですよ。透視しますので。
……思いつきましたか?
……思いつきましたね。はい、ありがとうございました。
今は、どんな答えになったでしょうか。
こういうのに理由をつけてあげるのって、なかなか難しいですよね。魔法だったら詠唱=長めの台詞を用意したぶんだけ集中できるから、高威力・高ランクの魔法を繰り出せるって思いつくんですが、事が武術に及ぶとこれがもっと大変。
一秒ごとに状況が目まぐるしく移り変わる戦場で、命を懸けた真剣勝負で、いくら秘奥義とはいえ長い台詞を用意してあげると、喋ったぶんだけ酸素が体からなくなってキレが鈍ったり、技よりも台詞に集中したら倒す前にこっちが自滅するんじゃないか、それ以前に宣言も予告もなしで秘奥義かませばすぐケリがつくんじゃね? ……なんて考えも多めに浮かんできてしまいますから。
だからといって、技名だけが入った「」が何個も続いた挙句、〆に変な断末魔を入れた「」をはさむスタイルで戦闘を進行させて、あげくそれを戦闘シーンですとどや顔で発表するのも見たくない。そんなものは、毒にもギャグにもなりません。
こういうのは、ゲームだから映えるのであって、活字にした途端、一気に陳腐になってしまう――というのが、私なりの持論です。やるにしても、相当な工夫が必要でしょう。
ところで。
LUCEさんは、読み手に不必要な想像させることを良しとしないとおっしゃってますが、私はNoです。
その理由を、私も魔神剣を例に、ちょっと述べさせていただきます。もうしばらくお付き合いを。
確かに、魔神剣は剣でつくりだした衝撃波を飛ばす、とてもシンプルなものです。
ですが「魔神剣」を知らない人にはどう説明しましょう?
ゲームをした人には、上記の説明で十分でしょうが、これだけの情報ではあまりにも足りません。どれくらいのスピードで飛んでいくのか、威力は、剣は振り下ろすのか・振り上げるのか、衝撃波が生まれる振りは突き・斬りのどれか、衝撃波は剣先から出るのか、技の質としてはソニックブームのようなものなのか、剣術の流派によって質がどのように変わるのか、使用者の体運びはどんなものか、射程距離はいかほどかetc,etc……
というようなことを、知らない人にも分かるように説明しなければなりません。あとがきで補足しとくからわかるだろお前ら、な態度では駄目なのです。
そしてこれを、書き手というものは短いセンテンスで、かつ読み手がわくわくするように書かねばなりません。 だれがどうして、そしたらああなって、そしたら今度は……というような事務処理の模範みたいな、なんの工夫もせず書かれた無味無臭の文章を書かれたって、誰も興奮したりしません。
しかし作家はそこまで一人で背負い込む必要がない、というのが私の考えです。必要とはいえ、上のようなことたらたら書かれたら、書き手も読み手もやってられません。ここからがLUCEさんと違ってくるところだと思います。
簡単に言えば、落語とおなじことで、読者と作者との共同作業です。人の想像力に訴えることで、たとえ知らない世界の話でも、いくらでもどっぷりと浸らせることができるのです。想像力は偉大です。
人っていうものは読書しているとき、なにかしら考え事をしています。専らは活字を通して作者と対話してるわけですが、それを使わせてもらおう、というのが私の言う想像です。
ちょっと気の利いた修飾語をつけてあげるだけで、文章は幅が広がります。幅が広がるのはつまり、文中の世界が広がることでつまり、より世界の明度が鮮明になって、想像がしやすくなります。
ジョン・レノンも言ってます。イマジン。いい言葉ですね。意味合いはちょっと違いますが。
ライトノベルの煌びやかなイラストは、そのための一助なのではないでしょうか。
小難しい言葉を使えばおもしろくなるわけではないのです。ここぞのタイミングで、的確な言葉を使うからこそお話は段違いにおもしろくなるのです。
そのためにも、作家は日進月歩、常日頃から修練を積む必要があるわけなんですね。
LUCEさんの仰る「想像」がどれくらいの範囲までカバーしているのかは文中からは察することができませんでしたが、以上が私なりの考えでした。
長々と書いてしまい、伝えたかったことがちゃんと届いているか不安ですが、私の話はこれで終わりにしたいと思います。
それでは、執筆、楽しんでくださいね。
PS:
私が普段使わせていただいている小説技法研究サイトに、ちょうどいい議論のまとめがあったのでアドレスを記載しておきます。
明日の作家を本気で目指している方々の生きた声なので、大いに役立つと思います。
http://www.raitonoveru.jp/
http://www.raitonoveru.jp/howto/h4/565a.html#01
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Re^2: 技名の表記
- ◆ LUCE [9000] 12/11/09(金) 00:07
- ご回答、まことにありがとうございます。
読み専の意見というものも聞いてみたかったので、姫川 涼様がこの議題に興味を持ってくださったこと、非常に嬉しく思います。> 技名なんて言っても言わなくても、たいしたことではないと考えます。
ですよねー(鬼畜大佐風)
というのは冗談として。
所詮、技名云々など、作風の違いですからね。当事者以外からすれば、「まあ、それもいいんじゃない?」ぐらいとしか思われませんか。
さて、逆に質問をされるとは思いませんでした。
書き込まなくてもよい、とありますが、透視はされたくないので、あえて書き込ませていただきます。
あくまでも私見ですが、私が技名を言わせる大きな理由は、やはり「その方が楽だから」です。
このサイトは、非公式とはいえテイルズのサイトです。
ですので、読者様がその技を知っていることを前提としていたため、「とりあえず技名書いてりゃ分かるだろ」という思いがありました。
ですが、姫川 涼 様が後述された通りなのですよね。> あとがきで補足しとくからわかるだろお前ら、な態度では駄目なのです。
まさにその通りでしょう。
何も知らない人にも分かるように描写する。それは、小説を書く際において必ず心がけなくてはならない事でしたね。
ずっと「知っている」が「当たり前」な環境にいたためか、それに慣れ、大切な事を忘れていました。
さらにいえば、私は姫川 涼 様の仰る『事務処理の模範みたいな、なんの工夫もせず書かれた無味無臭の文章』を書いていました。
ただ「何がどうした」だけでなく、それにさらに一工夫を加えなければならないのですね。> しかし作家はそこまで一人で背負い込む必要がない、というのが私の考えです。
このあたりが、正直よく分かりませんでした。意識しすぎるな、という意味なのでしょうか……> ちょっと気の利いた修飾語をつけてあげるだけで、文章は幅が広がります。幅が広がるのはつまり、文中の世界が広がることでつまり、より世界の明度が鮮明になって、想像がしやすくなります。
私はあまり読者様に想像をさせたがらない主義でしたが……
むしろ、読者様が情景を想像できるような作品を書かなければならない、という事なのですかね。> 小難しい言葉を使えばおもしろくなるわけではないのです。ここぞのタイミングで、的確な言葉を使うからこそお話は段違いにおもしろくなるのです。
なるほど、という気分です。
以前、自分に足りないのは語彙力だ、と思いまして、色々な言い回しを使用してみたりもしました。
今後は、的確なタイミング、というのを見極めていきたいと思います。
姫川 涼様が紹介してくださったサイト。ちょうど、私がかつて少しの間小説の勉強していたところです。
当時は受験生でしたので、今はもうすっかりと忘れてしまったのですが。
ともあれ、大変参考になるお言葉の数々、本当に、ありがとうございました。
わざわざご回答してくださった姫川 涼様には感謝しきれませんが、これをもって、お礼の言葉とさせていただきます。
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