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創作相談板 記事No.7227

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Re: 視点

◆ kye [7227] 09/06/01(月) 01:39
どうも。人と話すときに視点の定まらないkyeです。

お話を書く際に、まず人称の設定をしますよね。
特定の人物の視点から物語を見る一人称と、主観的な視点から遠ざかって物語を見下ろす三人称が、それぞれ主流です。
その一人称と三人称で、視点の扱い方はちょっと違います。

一人称は視点がそのまま登場人物のひとりになります。これは執筆者=キャラクターという、非常にシンプルな構造です。(叙述トリックなどでは、しばしばこれを逆手に取ったりもします)
キャラクターの目線で物語を見るので、そのキャラクターの関知しないことは絶対に書けないという弱点があります。
東京にいる人が大阪にいる人のことをリアルタイムで語るのは、ちょっと難しいですよね。
そこで利用されるのが視点移動ですね。
東京の人物から大阪の人物に視点を移し、別の時間や場所を書き出すことができます。
しかし、これは多用すると話の整理がつきにくくなって読者を混乱させる要因になりかねません。
読者の目線がどのように物語を追うのかを把握して、お話の頭から尻までの展開をおおよそでいいので完成させてから書き始めるべきだと思います。
理想的な形は、やっぱり視点移動無しで書ききることでしょう。
第三者からの情報という形で、物語を補完することもできるわけですから。
東京の人が大阪の人から電話をもらうようなものです。
(このとき視点が得た情報と、第三者からもたらされた情報の二種類が生まれます。視点の情報に嘘を書いてはいけませんが、第三者からの情報には嘘が含まれる場合も許されます。視点は関知できないわけですから。)


次に三人称ですが、これは物語と視点との距離にばらつきがあります。
前述の一人称に近い形で三人称を書くこともできます。地の文は視点となる人物の心情だけを抜き出して書くことが許されます。他は一人称と同様に類推するほかありません。
この場合は前述と同様、視点移動によって別のキャラの心情を書き出すことができます。
そしてやはり、多用すると混乱を招きますし、同じ意味段落の中で視点を変えてしまうと、輪を掛けて混乱します。(気にしない読者もいるようですが)

全ての登場人物の心情を把握して書く、神の視点と呼ばれる三人称もあります。これはRPGのセリフを読むみたいに、視点を気にせず書けます。小説としてはあんまり上等じゃないかもしれませんが。

さらに視点を離し、登場人物の心情を極力排した文体もあるでしょう。こちらは場所や時間の移動はありますが、視点を登場人物にはあまり定めないので段落を変えて場所や時間を変えてもそれが明示されれば大きな混乱は無いと思います。


視点変更のコツとしては、
一人称の場合は視点の一人称(僕とか私とかおいどんとか)を区別して使うということですね。単純に使いやすいし分かりやすいです。
三人称の場合は視点のキャラを明らかにすることですね。
主観から見る物語は詳しく書きすぎるときがあるので、ある程度控え目な描写を心掛け、他人(視点以外のキャラ)を書き出すときは具体的に分かりやすい情報を簡潔に書くべきだと思います。
そして一人称、三人称に共通していえることは、5W1Hを明らかにして書き出すということです。
やっぱり時間も場所も分からないんじゃ場面が把握できませんから。


視点の変え方は様々あるでしょうけど、一番大事なのは「読んだときに把握しやすい」ということです。
自分が読者ならば……。という客観をもって執筆することはとても有用だと思います。


参考になったかどうかは分かりませんが、以上が自分の私見です。

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