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創作相談板 記事No.7307

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Re: 今現在の投稿小説について感じたこと。

ブレイズ [URL] [7307] 09/09/23(水) 03:31
はじめまして。

立場をはっきりさせておくと、僕もpooさんや、いくつか前のスレにあるKさんの主張に近い考えを持っています。今の投稿板の雰囲気には、正直ついていけてません。僕が全体の雰囲気に馴染まないのがいったいこの投稿板と何の関係があるのだと尋ねられると、いや、それはもちろん単なる個人の嗜好ですと応える他ありませんが、それでもかつて毎日のように覗いていた投稿小説のページを、いまでは月に一度も覗かなくなってしまった人間がここに一人いるのだということは、やっぱり主張せずにはおれないのです。

いままでこの件に関してはっきりと立場を表明したことはありませんでしたが、それは、できることなら投稿板の上で、作品という形をとった主張をしていきたいと考えていたからです。しかし自分はなにぶん寡作であり、また実力もなかなかおよばず、それは結局叶わずに終わりました。こうしたいきさつを経て、僕は今こうしてここに書きこんでいます。

オリジナル要素偏重の長編が目立ち始めたのは、たしか一昨年の暮れあたりからであったと記憶しています。それから短編の比重が徐々に減っていき、今年の初めになるころには、パッと見て一日に短編が一つ上がればいい方といった状態でした。個人的には由々しき事態であるなあと思ってはいたものの、それは結局のところ、大多数のユーザが自分たちの楽しめる形で投稿板を利用しているということにすぎず、偉そうに文句を垂れられそうな立場を探してみようにも、そんなものはどこにもないように思えたのでした。「結局これはみんなの板なんだしみんなの好きに使うしかあるまい」の境地に達してからはそんなことももはやどうでもよくなり、僕も僕なりに好きなやりかたで細々と使わせていただいておりました。

とはいえ、なんだかんだでやはり悔しいのは確かなので、今一度その立場をここで模索してみます。

まずpooさんの「オリジナル要素を詰めすぎると読者に対する敷居が高くなる」との主張は尤もであると考えます。これは現在の新規の作者さんに、それと似た作風の方が多く見受けられる(無論全員ではありません。憤慨なされる方がいらっしゃれば謝ります。メールください)点からも容易に推測されます。閉じたコミュニティはさらに閉じたコミュニティしか生みださず、またそこに加われるのは、そのコミュニティとの親和性が高い人間だけです。

またそれに加えて、投稿規定である「本文4000字以上」を満たしていない連作長編の作品がいくつか見受けられるという点をここに強調したい。これでは必然的に個人の投稿ペースが上がり、寡作な作者やその作品を求める読者、それに、これから短編を投稿しようとする人間を圧迫します。ゆえにこのことが、昨今の連作長編偏重の風潮に拍車をかけていると考えます。せめて最低限の義務は果たしていただきたい。これはなにより、「みんなの板」の境地に達していた僕にとって、強力なくさびとなりました。

◇◇◇

さらにもう一点。これはあくまで僕の主観なのであまり取り合わないでほしいんですが、オリジナル要素偏重の作品には幼稚な内容のものが多いように感じています。自分のことを棚上げして何偉そうなことを言っているのだと言われるとすみませんとしか答えようがなく、またお前は何様のつもりで言っているのだと尋ねられると俺様のつもりで言っていますとしか答えようがないといった風情なんですが、やはり実感としてあります。もちろんMIXOOすべてがと言っているわけではなくて、またオリジナル要素を多く含んだ作品のなかにもすぐれたお話は数多くあると思います。これらの話は突き詰めると批評的な話になってくるし、結局は個人の嗜好の問題なので、段落冒頭で取り合わないでくださいと言ったのですが、僕が一つ思っていることは、テイルズ以外の作品から要素を借りてMIXOOを書くことに、それは一つの端を発しているのではないかということです。どういうことかというと、たとえば少年漫画と青年漫画との違いです。少年漫画には、これは例を挙げるとキリがないけれど、単純に強い敵が出てきて、さらに強い力でその敵を倒し、すると次はそれよりももっと強い敵があらわれて……という構造をとった物語がわりあい多い。この物語構造をここではインフレーション構造と呼ばせていただきますが、これは少年漫画特有のものであるというのが僕個人の実感としてあります。これに対して青年漫画は、端的に言うと、虚構の中での強さにとどまらず、より現実へ肉薄していくような、読者の身に差し迫るリアリティを追及していこうというきらいがあるように僕は読んでいます。話を戻すと、オリジナル要素として「自分の好きなものならなんでも」混ぜてMIXOOとして出来あがった作品の、その「自分の好きなもの」というのは、概して少年漫画的なインフレーション構造にのっとったものであることが実際問題として多く、そこからインフレーション構造そのものも一緒に借りてきてしまったのではないかと僕は考えています。ゆえに出来上がった作品が僕の目には幼稚に映るのではないかと。僕は少年漫画を馬鹿にしているわけではありません。その幼稚さは、少年漫画そのものに対して向けられた言葉では断じてないということだけはここに強調させていただきます。問題なのは、意図的にしろ無意識にしろ、インフレーション構造自体を借りてきて、それに単に乗っけて作品を作ることに、はたして作者は何の意味を見ているのかということです。僕の目にはその意味がよく見えてこない。もしもそこに何かしらの意図があるのならば、ぜひ提示していただきたいなと、邪気もなく僕は思っているわけです。もしその意図に納得することができれば、僕は僕が感じた幼稚さにはっきりと折り合いをつけて、気持ちよく互いを尊重することができるような気がするんです。

◇◇◇

客観性を欠いた主張が長く続きましたが、僕の考えはひとまず以上です。

さらにすすんで、誰もが楽しめる投稿板をつくるには具体的にどうすればいいのかということについてもなんとなく考えたりはしますが、どれも現実的ではありません。

まあここまで真剣に書いておいてあれなんですが、正直なところこの議題に関しては、もうどうでもいいのではないかというのが僕の本音です。また短編旺盛の時期がやってくるのであればそれはそれでとてもうれしいことではありますが、結局のところそれはわがままでしかありません。投稿規約を守るという一点さえ守っていただければ、あとはどのように投稿小説のページを使おうが、倫理的にはいいはずなんです(道徳的にはちょっとダメっぽい)。閉じたコミュニティが形成されていこうが、それを咎められるような立場はやはりどこにもないのではないか、というのが僕の立場であり、この点において僕の考えはpooさんの考えと少し食い違っているのかもしれない、というのが互いの主張を読んでみての雑感です。

では。

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