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創作相談板 記事No.6868

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Re^3: リアリティの形

JUN [6868] 08/06/10(火) 00:33
>何でだ( ゚Д゚)ゴニャ!!さんへ

 本人に聞いたわけじゃないんですが……。僕の考えから、何でだ( ゚Д゚)ゴニャ!!さんがルーキィさんにした意見に対して、反論させて頂きます。

 “何でだ( ゚Д゚)ゴニャ!!”さんの意見は、理論的に筋が通っていると思います。だから、その土俵でこちらも反論させてもらいたいと思います。

 そちらが主張される「前提として読者が作品の世界観を知っていた方が、作品の説得力が増す」という前提の確実性を僕は疑います。

 僕はそういうのじゃない、伝え方、味わいというのが確かにあると思うんですね。現実や歴史的事実、あるいは自然科学上の法則とかに対するキチッとした設定作り、それによる世界観の明確化――これも一つのアプローチではあります。実際、そここそが重要だという方もたくさんいらっしゃいます。
 でも僕が思うに、小説の目的は、結局読んだ人に何かを感じてもらうことだと思うんです。設定、世界観、これらをまず明示することによって、相手にこういう世界観の話なんだというのをわかってもらった上で、説明していく。それが相手に何かを感じさせるのに有効な手段であることは確かです。しかしながら、これしかないかというと、決してそうではありません。
 
 現実、事実に照らして不合理で一見起こりえないようなことが起こっていたとしても、そんな風になっているからこそ、物語が物語として成り立つ。読んだ人により何かを感じさせることが出来る。そういう場合は確かにあるんです。

 僕がこういう反論をしたのは、ルーキィさんの作品は、別に“何でだ( ゚Д゚)ゴニャ!!”さんが示した様なアプローチをしなくても、作品として成り立っているし、そこにこそ作品の味があると思うからです。もし“何でだ( ゚Д゚)ゴニャ!!”さんの意見を過度に気にし過ぎてしまって、世界観や設定を無理にきっちりさせようとしたりすると、それが壊されることになってしまうと思ったからです。
 さらに補足しておくと、ルーキィさんの小説は、ファンタジーや童話に分類されるものだと思います。それらの物語は既に物語の一ジャンルとして認められており、広く知られていますから、読み手は彼女の作品を見たとき、ほぼ例外無くファンタジーや童話の世界観を想像することとなります。猫がしゃべり死者を運ぶ列車が通ることは、大半の読者にとって、何ら不自然では無いと思うんです。ゆえに、ルーキィさんの言う「世界観は既に描かれている」という意見はやはり妥当だと思うんです。

 だから、結論としてはルーキィさんの意見を純理論的に理解した場合に、何でだ( ゚Д゚)ゴニャ!!さんの指摘は的確だと思いますが、小説の方法論、あるいはルーキィさんの心情という点で見ると、的確でないと思います。

 かなり手酷く書いたかも知れませんが、こういった疑問の提起、論争なんていうのは、それ自体が書き手の間の関係を深め、サイトの活性を高めるので、歓迎します。ルーキィさんから何かあれば、また書き込みがあるでしょう。

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