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創作相談板 記事No.6926

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Re: 共感の重要性

JUN [6926] 08/08/14(木) 11:40
 どうも、こうして直接対話するのはチャット以来でしょうか。JUNと申します。

 さて、共感についての意見ですが、なかなか手厳しい物があり、僕も耳が痛い所があります。というのも、僕自身、見た感じ共感できなさそうだと思う作品は、意識的に避けてしまう傾向があるからです。さすがにそれを好きな人が居るなら、軽はずみな批判は避けますが。
 共感を特に大事にするというのは、本やゲームなどの作品に触れる時の姿勢、評価軸の問題じゃないのかと思うんです。
 というのもゲームにしても、小説にしても、共感というのは評価する時に一番分かりやすい軸だと思うんですね。
 例えば小説ならば、筋の意外性とか描写の巧拙、物語の構成等々、他にも評価軸はありますが、そのあたりはある程度本を読んだり、自分で小説を書く様になってからこそ分かるし、論じられる部分だと思うんです。
 それに対して、そこに出てくる人がどう思っているか、その人がどういう人かというのは、よほど分かり難く書かれない限り、読みとるのはそう難しくありません。というか、正確に読みとれなくても、読み手側でこいつはこういう奴と勝手に認識して結論できてしまえます。それくらいなら、どんな人にだってできると思うんです。
 そうすると、それはみんながやる評価ということになります。だから売れたい作品だったら、やはりそこで良い評価を得ることが大切にされるし、そうやって売れている作り手が大切にするからこそ、評価する側もフィードバック的にそれが大切なんだと思うようになります。
 そうして、入りからほんの数ページで分かる行動、言動などが共感を呼ぶか呼ばないかだけが作品の評価において大切にされていくようになります。
 また、こうやって皮肉っぽく言う僕自身も、自分の価値観を肯定してくれるというだけで、やはり嬉しく思います。それだけを目的にしてしまうと、読める話の幅が少なくなってしまうし、一応作り手の端っこに居る以上は、他の評価だって大切にしたいのですが。

 繋がっている安心感、同じだという気持ち良さはそれほど強烈に良い印象を与えます。特に今は、昔と違って、当たり前に皆と一緒になれることがなかなかありません。何かの作品が共通して好きであっても、その度合いが違えば、あっという間に仲違いします。
 それに対して、作品の中の人とはコミュニケーションが取れませんから、こっちが同じだと思えばそれまでだし、そう思ってる限りはどこまでも同じです。寂しい一人相撲ですが、そういう思いこみで結構安心できますから。
 本当は、どこにも自分と全く同じことを考えている人間なんか絶対に居ないし、だから話をしていて面白いはずなんですけど。
 だけど、どうしても一人だと思える時が結構あって、そういう瞬間の怖さ、寂しさを多くの人が知っているから、一緒だと思えることがこんなに大切にされるんだと思います。もっと言えば、誰もが感じるそういう心の隙間を埋めるために、作品やゲームは消費されていく運命にあるのかも知れません。そういうものだとすれば、共感できないというだけで理解を破棄されることも、少し筋が通っているのかもと思います。

 多くの作品を知り、その向こうの作り手の世界まで覗けるようになれば、評価軸が共感以外にも増えます。また、年を重ねて学校や社会での人間関係を重ねていけば、様々な人が居るという、共感の枠そのものも広がっていきます。

 もしどうしても腹立たしい様であれば、浅い人や狭い人のことはそう気にしないで、その人たちを狭いと思える自分のことを、口に出さずそっと噛みしめていれば良いのではないでしょうか。あくまでその人たちには何も言わずに。
 あるいは作品として、読めば愚かしさに気がつき、かつそこを皮肉る形のものをどんどん作っていくという方法もあります。僕は、本当に凄い作り手ならば、中身の無い批判をする前に、批判したい思いを昇華させて傑作を作るべきだと思っています。
 両方狡いやり方かも知れませんが、スマートで自分にストレスを与えません。関わらなければならないこと、あるいは自分で関わると決めたこと以外には、不必要な関心を払わないことも、幸せに生きるための一つの方法です。

 最後辺りは説教臭くなってしまいました。ただ、意見としては共感を問題にすること自体はそう悪くないと僕は思っています。
 それでは、また。

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