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創作相談板 記事No.6934

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ありえないということ

JUN [6934] 08/08/18(月) 23:58
 皆さん、様々な回答、ありがとうございます。
 それらを踏まえてもう一歩踏み込んで聞いてみたいのですが、どうして“アーチェ”や“クラトス”や、その他色々なあり得ないことを皆さんは求め、書かれるのでしょうか。

 実はこのトピックを立てたのは、暗に『居もしない存在』への想像、それを通した共感を簡単に許容することへのアンチテーゼでした。
 僕は“アーチェ”をどう書くか、考えてもらうことを通じて、“アーチェ”がいかに人間と比べて書きにくく、想像しにくく、共感しにくいものであるかということを示したかったんです。ところが、尋ね方が悪かったせいかも知れませんが、答えて頂いた皆さんは、“アーチェ”の書き方をしっかりと考えて教えてくださり、“アーチェ”を考えること、“アーチェ”のような存在を作り出すことの意味については、特別に考えて居ないように思えたんです。

 だけど、僕にはそこが分かりません。一体、どうしてそんなにあり得ないことを信じたいのか。

 というのも僕は、年を取ってしまったせいか、千年生きるとか、死なないとか、生まれ変わるとか、一見して明らかに「ありえないこと」というのが、そう簡単に信じられなくなってきたんです。
 ファンタジーのリアリティっていうのは、嫌いじゃないけれど、時々あまりに率直な自と比べて違い過ぎる時があり、僕が見たこと、聞いたこと、感じたことと食い違いすぎて、どうにも食傷してしまう時があるんです。現実に生きている人の声も、姿もそこにはほとんど反映されていないんじゃないかと思ってしまうんです。

 もう“アーチェ”に集約して論じるのは難しくなってきていますが、敢えて言わせてもらうのならば、待つことの辛さを知っている人は居たって、実際に百年を待った人なんて、この世に居ないんです。
 これはブレイズさんとは真逆の方法論となりますが、僕は書く時に作中に出てくるどんな人にでも共感できる、しようとしてしまいます。想像力と思考の幅さえ広がれば、それが出来る人の枠というのも増えていって、次第に色んな人が書けるようになるという考え方です。
 そしてその時僕が大事にしたいのは、実際に題材となる出来事に遭った人と話してみて、雰囲気、表情、言葉から共感し、想像することなんです。
“アーチェ”の場合にはそれができません。特に、彼女のあり得ない部分がテーマの前面に出てくる話についてそうです。『チェスターを百年待ち続ける気持ち』もそうですし、『皆が年を取るのに、いつまでも自分は若いままという気持ち』だってそう。

 これらはそもそも、それを体験した人がどこにも居ないんです。何とか共感、想像しようとしたって、そういう人がこの世のどこにも居ない以上、会って話を聞くことが絶対にできません。仮にそれと似ている気持ちを思い浮かべたとしても、それらとアーチェの気持ちとの間が余りに離れ過ぎていて、そこから継ぎ接ぎして作られるアーチェの気持ちというのは、やはりそのものから印象を受けて書いたものとは大きく違ってしまう気がするんです。
 そうなるくらいだったら、まだあり得るようなことを、印象が新鮮な気持ちに近いことをまとめて書いた方が、良い物ができると僕は考えてしまいます。

 だけど、これには欠点があります。こんな風に結論するなら、僕はファンタジーそのものを書く必要も、評価する必要も無くなってしまうんです。だって、『ありえない』んですから。

 しかし、僕はここで二次創作を書き続けています。体験とか印象を組み合わせて、できるだけ感じやすい表現ができるよう、自分なりに工夫をして。
 新鮮さやリアルさというのなら、僕が今暮らしているこの環境、知り合った人から聞いた話だけを題材にすれば印象は最高に新鮮で強いはずなのに。なぜこれをしないのでしょうか。考えるほど分からなくなります。

 結局、好きだからかも知れません。あり得ないと分かっていても、僕は目の大きい女の子や、小さな身体で竜をぶん投げる男の子、千年生きる美女、美男なんてのを想像したいようです。だから、同じようにそれが好きだという人と一緒に作り、そういう人達に読んでもらって、ここに居て二次創作をやっている。そして、それがなんで好きなのかとくれば、今までの僕をカミングアウトしなきゃならないでしょう。
 半分惰性にも思えますが、僕の立場はそんな感じです。皆さんはどう思われますか。ここまでにレスをして頂いた方でも、していない方でも構いません。どうぞ、答えていただけないでしょうか。

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