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創作相談板 記事No.7059

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Re: 文章と映像

◆ kye [7059] 09/01/10(土) 01:34
あけましておめでとうございます、kyeです。

自分は絵が描けてたら漫画描きたかったかも、とかたまに妄想する奴ですが、漫画の道に引き返す気などさらさら無くなっております。
それは小説と漫画、それぞれの表現に決定的な差があるからなんですね。
それぞれ単純に言えば、字と、字と絵、ですね。

漫画には漫画の文法(手法)があって、その中で止まった絵を読者のイメージの中でひと続きの物語、あるいは動画にしちゃいます。
白黒の静止画が、イメージの中で総天然色の動画になっちゃうわけですね。

小説の場合も同じようなものだと思うんですよ。読者のイメージの中で像を結ぶものになるべきだと。紙の上にあるのは単なるインクの配列でしかないと。

JUNさんの仰るように、自分も小説の持つ絵的な外見・ビジュアルについては諦めてます。そりゃもう絵には敵わないし、写実性なら写真にも勝てない。
だからイメージの世界を土俵に、そこへ上るわけです。(もちろん読者を引っ張り上げる腕がないと空回りなわけですが……orz)

イメージさえあれば小説を読むには十二分ですから、自分は外見描写にはあんまりこだわりが無いんですよ。
とはいえ、イメージは伝えなければいけないので、いかんせん記号的な部分が突出しがちにはなります。(会社員はみんなスーツ着てたり、警察官は常時拳銃ぶらさげてたり)

読み手としてはインプリンティングといいますか、最初に触れたビジュアルにイメージが準拠しますね。
ライトノベルなら口絵がついてますから、その絵を本文の内容に当てはめて場面場面を想像します。
諸事情で挿絵担当者が交代したシリーズを読んだときは、最終巻のラストシーンだというのに、十年近く前に読んだ1巻のビジュアルでキャラが浮かんだりしました。(絵師さんのイメージを焼き付ける力ですね。時間を超えた体験に感服しました)

挿絵が無い場合もやっぱり最初に出くわしたイメージが強く刷り込まれます。
最初にだらしなく書いたら、後から引き締めたときにギャップが出たり、あるいは無理が生じたり。

結局「ビジュアル」ではなく「イメージ」という舞台で文章を書くなら、それは暗喩的だったり象徴的だったり、あるいは実体験とかけ離れて現実にとって懐疑的だったりするわけです。
ビジュアルにとっての正確性として写実性があるなら、イメージにとっての正確性として、作者の感覚をフィードバックさせる再現性が必要になってくるのだと思います。
作者自身も(ノンフィクションでないなら)イメージの中から物語を紡ぐわけですから、その言葉は人間的に生々しくなって構わないし、なるべきだとも思います。(このへんは内容次第でしょうけど、それはまた演出の話なので…)


やっぱり散漫な内容になってる気がしますが、以上が自分の意見です。
五感を刺激する語感といいましょうか。もっと空気や重力や時間を支配するような文章をいっぺんでいいから書いてみたいもんです。
小説もいいけど漫画もね、ということで……では〜

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