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創作相談板 記事No.7060

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Re: 文章と映像

◆ 飛鳥 [7060] 09/01/11(日) 07:12
あけましておめでとうございます。飛鳥です。
秋頃から発病した余裕のなさが最近ようやく治まってきたので、久しぶりにお邪魔させて頂きます。よろしくお願いいたします。

短所は長所。そんなことを考えている今日この頃です。

私も外見描写を正確に表現する能力は、映像の方が優れていると思います。
文章のようにあれやこれや書かなくたって、目の前の映像を見れば一発ですからね。
ホント、視覚的な情報量の多さには驚かされます。自分で描写しようとする度に、またたまに小説を読んでいる時にも思います。
以前ラノベを読んでいた時、建物か何かの描写があったのですが、挿絵が自分のイメージしたのと違って 「そういうことかい……」 と一人で恥ずかしくなってたことがありました。
私の想像力のなさが原因ですが、正確に伝えるって難しいんだなぁとも思った瞬間です。


ただ、緻密に表現する能力が欠けているということは欠点でもありますが、強力な助っ人でもあるように思います。
分かりやすい例が叙述トリックというやつでしょうか。

自分のことを僕という女の子がいる。
女の子であることは明言しないで話を進めて、あるところで「僕は女だ」みたいなことを言わせて読者を驚かす。
「僕→実は女の子」くらいならアニメなんかでは見たことがありますが……この手のやり方は映像化したらあっけなく終わったり、そもそも映像化できないことが多いように思うので、写実性の欠如を逆手に取った、文章でしかできない手法じゃないかなぁと思っています。

性別のように本来はっきり見えるものをぼかすことができることは、文章の魅力のひとつだと思います。描写の精密さを作者が自由に操作できる、と言い換えることもできるでしょうか。
書こうと思えばいくらでも細かく書けるけど、全く書かないで進めることもできるのは面白いと思います。

性別のようにビジュアルを見せられたらすぐに分かるような些細なことに、わざと漠然としたイメージしか与えないで読者を楽しませる一要素にしたり、逆にできる限り緻密に描写して自分の伝えたいことを正確に伝えたり……ほとんど外見描写を書かずに読者のイメージに委ねて進めるという選択肢もある。
そんな選択の幅が、他の媒体ではできない多様性を生み出しているんじゃないかなぁとか思ったり……。

この曖昧さが楽しくて、映像や漫画があってもついつい小説を読んじゃったり、自分でも書いてみたくなっちゃうんですよね。うまく使って書けてるかは別問題なのが悲しいんですが……。

文字の弱点は裏を返せば文字だけが持つ特徴で、強みでもある……みたいなことが伝わっていればいいなぁ〜と思っております。少しでも分かって頂けたのなら幸いです。

新年一発目から失礼しました。それでは、今年もよろしくお願いいたします。

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