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創作相談板 記事No.7096

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Re: 台詞と地の文のバランス

JUN [URL] [7096] 09/01/29(木) 11:52
 あお・リーフさんへ

 初めまして。僕もブレイズさんと同じで、最終的にはあお・リーフさんがどうしたいかが重要なんだと思います。

 まず、あお・リーフさんの最初の意見をについて思ったことがあります。それは、ストーリーだけを大切にしない小説もあるということです。
 ストーリーというのは、話の流れ、筋とか何が起こるかというものです。例えば重要なバトルシーンで、主人公の仲間が死ぬか死なないかとか。ダークな所ではヒロインが寝取られてしまうかしまわないかとか。読む人誰もが、結末や続きはどうなるんだろう、気になるなあと考えて引き込まれるもの。それがストーリーなんだと僕は思っています。
 だから、ネタバレとか筋がばれてしまうとつまらないというのがストーリー重視のものです。テイルズのシナリオもどちらかというとそんな風で、ライトノベルや少年漫画にしてもそれが多いのかなあと思います。ストーリーを重視すると、いつまでも長い地の文が続いて出来事の方が進まないのでは面白くない、という意見が出るのだと思います。
 だけど、そうじゃない作品っていうのがあります。このサイトではかなり少ないのですが。そういった本には、例えば帯の解説に、すでに結末までの粗筋が書いてあったりするんです。それで例外なく本の中身のお話もその通りに進んでしまいます。主人公が死ぬと書いてあれば死にます。

 読む前に結末が分かっている。あお・リーフさんはそういう作品の何が面白いのか、と理解に苦しむでしょうか。
 
 僕はそんな作品だって面白いと思います。それは実際にその出来事を通じてそこに居る人が何を思うのか、というのが分かってないからです。主人公の仲間が死ぬと決まっているときに、その時を迎えた主人公が何を考えるのか。どういう風に思うのか。何をするのか、どんな台詞を発するのか。それはどういう言葉で書かれるのか。それを実際に自分で読むことも、面白さにつながると思うんです。
 ストーリー重視の作品というのは、僕が上で言った所について、大抵の人が納得するだろうなあというレベルで切り上げてしまっている気がします。会話と最低限おかしく思われないだけの地の文で留めるなどして。
それも納得できることです。メインはストーリーなんですから、今何が起こってるのかが分からないほど強烈だったり詳細な描写というのはそれほど重要じゃないのかもしれません。誤解して欲しくないのは、それは決して力を抜いてなんか無いし、むしろ多くの人を楽しませるために、テンポを崩さずストーリーを進めるために必要なことだということです。読む側も多くの場合はそれを期待していたりしますし。

 上の二つの内、どちらを重視して書くつもりなのか。あお・リーフさんの疑問は、どちらかというとこういうレベルではないかと思います。

 その上で、「小説は地の文がメインなんだから、地の文を増やした方が良い」という意見についてですが。二つの意図が考えられると思います。一つは、『普通にストーリー重視の小説として見ても、最低限の地の文すら書けていないから、それくらいにはして欲しい』あるいは、『ストーリー重視とかじゃなくて、登場人物の気持ちとか、場面の印象なんかをもっと掘り下げて書いて欲しい』という意図か。
 前者の意図なら、ショッキングな指摘です。そもそも意見をくれた人の基準では、小説が書けていないということですから。しかし後者の指摘も、それはそれであお・リーフさんにスタイルの変更を求めるものです。
 まずは、どちらか確かめることが重要なのではないでしょうか。自分の作品の地の文の比率と、例えばあお・リーフさんの好きな作品との地の文の比率を比べてみるとか。同じような場面というのがあれば、そこでどうして地の文があるのかを考えてみるとか。
 どちらにしろ、そういうことが求められているのではないかと思います。ここから先へ進むなら、あお・リーフさんがこれまで読んだ本を研究し、執筆に活かしていくことが求められていると思います。そうなるともう、趣味で書ける範囲じゃないのかもしれませんが。

 ちなみに僕はというと、どうにもどちらか中途半端というのが適当な評価でしょう。ストーリーはなかなか進まないし、やたら書いてある地の文がそれほど深いかというと、そうでもないみたいだし。とりあえず上で僕が言ったことは、僕自身にも当てはまります。確実に、語彙不足は感じます。知ってる言葉でさえ上手く使えていないというのはあります。
 ちなみに地の文と会話分のバランスですが、僕はあまり考えていないというのが本音です。書くべきことがあるなら書く、無いなら書かない。それで僕としてはある程度変じゃないものが出来ていると思っています。
抽象的になってしまいますが、少し方法を述べておきます。
あえて言うのなら会話を進めたい時と、心の中を現したい時というのは、やっぱりメリハリをつけようとしています。動作とか表情の解説が要らないな、と思うなら、そういうのを抜きにして会話だけを繋げる時もあると思います。逆に要ると思えば、一連の会話を崩さない位置にそれを挟んでおいてから、心理描写を挟みつつ会話を進めていきます。また、心理描写を特に徹底的に書きたいという時は、どこの会話で切って、心理描写を挟んでいけばいいのかはある程度考えていると思うんです。

 あお・リーフさんに勧めるのは、自分なりの方法を確立することでしょうか。今の地の文と会話のバランスにしっかりした理由があれば、多少の意見ではびくともしないんでしょうし。それが本当にちゃんとした理由なのであれば、意見を述べた人が離れて行ったとしても大丈夫です。その方が良いと思うより多くの人が惹き付けられるのでしょう。
 ただ、そんなこと今まで考えてもみたことが無いというのだったら、少し考える必要があるのかも知れません。ブレイズさんが述べた様に、時間を見つけて本を読んで、研究してみることです。それでは、長々と失礼しました。

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