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創作相談板 記事No.7185

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Re^2: メタファーについて

◆ ブレイズ [7185] 09/04/09(木) 23:39
>>kyeさん
こんばんは。返信させていただきます。

>登場人物の心情を、何か別のものに象徴して置き換えるようにして表します
>その分、セリフで直接的に語る部分を削ります。

自分はふだん物語の展開や結末をほのめかすタイプのメタファーを使うことが多くて、それはつまり地の文で直接的に語る部分を削るという意図があってやっていることでした。登場人物の心情を暗喩で置き換えてその分のセリフを削るという手法は、今まで自分で自覚的にはやっていないことだったので、どうして気がつかなかったんだろうという心境です。小説のリアリティをある程度追求するためにも、その手法は必要不可欠なのかなと思います。何しろ現実世界で自分の心境を自分の口でペラペラ雄弁に喋る人間だらけだと、気持ち悪いですものね。ちなみに僕は今まで、セリフを削った分の人物の心境は全部読者に丸投げするという形になってました。自覚的に人物の心境を暗喩で示唆できるようになれると、文章も洗練されてくるのかなと思います。そういうの、憧れます。

>読み取れなくても本筋には差し障りの無いものを、作品のアクセントとして入れる程度に留めておく
>一瞬のメタファーといえど、読み飛ばせないくらいいくつも散りばめれば、それは重なり合って色濃くストーリーに象徴的な影を落とす

一つのメタファーを伝えるために書くのではなく、いくつも散りばめられた一瞬のメタファーによって全体を演出するという手法はなかなか有用なのではないか、という風に読みました。

>書いてる本人はあまり深く考えて書いていないので、後で読み取って、無意識にこういうものを書いているんだなぁ、と納得することがよくあります

その気持ちわかる気がします。

>文章で表すのですから、あまり映像的な部分に凝ると、イメージがそちらに割かれて、暗喩にまで回らないかもしれない、というところには注意がいるかもしれません

そうかもしれません。先日自分がこちらに投稿したお話(ラズベリー云々)は、イメージとしてのメタファーではなく、ビジュアルとしてのメタファーに主眼を置いたものでしたが、自分で読み返してみるとたしかに暗喩として読む前に視点を振り回されて忙しいな、という印象も受けました。この話はとても実験的なもので、意図的にビジュアルとしてのメタファーのみで構成してみたものだったのですが、この実験から得られたものは意外と多かったのかな、とわれながら思っていたりしています。


実際的な方法としては、やはりビジュアル的な一瞬のメタファーは、背景的なものだとか、そういう必要以上に読者を振り回さないものに限り、その上で使う他の重要なメタファーには、そのメタファーを補強するようなもの(上でJUNさんが出した羅生門の最後の一文の例のようなもの)を使って書くのが、丁寧でいいのかなと思います。読者に投げっぱなしにするような鬼畜メタファーの連続というのも、作風によってはアリかもしれませんがね。むしろ自分はそういうのが好きです。ろくに読み取れもしないくせに生意気かもしれませんが。

ということで、レスありがとうございました。
それではまた。

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